うちの子がもっと大きくなってから、は間違い

「うちの子がもっと大きくなってからピアノをさせようと思います」

こういったお声をいただきますが、この考え方は、間違いです。なぜならば、プロ音楽家の多くが2才からレッスンをはじめており、音楽業界ではこの年齢からはじめていなければ鼻で笑われることもあるほど幼少期からのスタートは常識です。

しかし、親御さんからみると、レッスンをしていても走り回っていたり座っていられなかったり、見ていて自分の分身でもあるので歯がゆい、そしてお月謝を無駄にしているような感じがしてしまうのでしょう。どうしてできないの!などいろんな感情がたまっていき、月謝が無駄だと思い始め、他のオケイコでもさせたほうがまし、もっと大きくなってから。となってしまいます。

集中力というものは、訓練しなければつかないもの

何が言いたいのかというと、2、3歳では子供の初期状態の集中力は5分程度です。10分椅子に座っていられたらすごくおりこうさん!!なのです。それを「うちの子は5分しかじっとしていられないから」とレッスン自体をやめてしまった場合と、はじめた場合を比べてみましょう。

毎回のレッスンで、10秒ずつ集中力がついてくるとします。音楽レッスンは集中力をつける訓練でもあるのです。2年後、はじめて続けたお子様は集中力がしっかりついて30分しっかりレッスンができるようになりました。集中力がつくということは、他の勉強やオケイコに対しても集中力が備わったということでも有ります。

かたや、大きくなってからと思っていたお子さんは同じ4歳になったのに相変わらず集中力はやっぱり5~10分程度。

子供と一緒に、親も頑張る必要がある

成長と共に勝手についていくものではなくトレーニングしないとつきません。その過程で、歯がゆい思いを親御さんが刷ることは非常に多いと思います。しかし私は、親御さんはそれでも続けさせてあげるべきだと思っています。

全然予習しなくても、復習しなくても、練習しなくても、レッスン中に遊んでいるようにみえても。私たちは知っています。親御さんがいない時に、子供はピアノと、ヴァイオリンと向き合おうとしているのです。親御さんが見ている、近くにいると思うと、お父さんお母さんが大好きすぎていろいろ駄々こねたりしたくなります。

お子さんはお子さんで、与えられた環境で頑張っています。ひょっとするとやりたくないかもしれないいろんなお稽古の消化を迫られ、新しい環境で、親御さんが思っている以上に頑張っています。親御さんといるとき泣きじゃくっていた子供が、親御さんがいなくなるとぴたっと泣き止んでレッスンしているということは往々にしてあります、というかほとんどそうです。

親御さんにお願いしたいこと

本当に子供に、上手くなってほしい!上達してほしい、と思われるのであれば教室からのお願いがあります。

・レッスン室には3歳以上の子供のレッスンの場合、同席をお控えください。

親は「見たい」と思っていても子供は「親に見られたくない」と思っています。子供の為のレッスンで、先生たちも子供がどう動くかということを研究してレッスンしているのに、親御さんがいてさらに横から声をかけたりするとレッスンがめちゃくちゃになってしまいます。

先生たちからよくお声は聞きますが先生からお伝えしづらい内容なのでここで書いてしまいます。親御さんがレッスン室にいないほうが子供は上達します。※0~2歳の子供の場合は親御さんの同席をお願いしています。

・続けさせてください

親から見て、歯がゆい思いをすることがものすごく多いと思います。しかしあなたの周りでこんな人はいませんか?

「小さいころピアノさせてもらってたけど練習しなかったから3年でやめさせられちゃった。あのまま続けさせてもらえてたらなぁ」

考えてみたら、子供がやりたい、といってオケイコをはじめたところでなにせ子供ですので気が変わったりすることもあり、一時的な感情でやめるといいだしたり、そもそもやりたいといっていないのに親が何かさせなければと思ってさせるケースもとても多いです。

自分で望んでいるならともかく、そう望んでもいないのにピアノ教室にいかされ、練習しなければ親に怒られ。子供も結構大変なんですよ。でもピアノはやっぱり総合学力的にも効果は大きいですし、音楽の基礎となるものなのでさせるべきであると本当に思います。他の楽器をしたいという子供でもある程度ピアノはやったほうがいいです。

そこで親御さんにお願いしたいのが、「続けさせてあげること」率直な言い方をすると、子供がなんと言おうが、教室に通い続けさせてあげる、それだけをお願いしたいです。

ふとしたきっかけでやめてしまうと、それでその子の音楽はぷちっと切れてしまいます。ピアノはオケイコではなく、体育と並び義務教育に取り入れられている生涯教育です。私はマルチリンガルですが、外国語の英語を学ぶことなどよりよっぽど、重要だと考えています。なぜなら、いくら言葉が話せても伝えるものがなければ意味がありません。音楽は言葉が離せなくても万国共通で伝わるものだからです。受験勉強なんか一時の出来事ですが音楽は一生続くものです。本当に、出来る限り長く続けさせてあげてほしいとこれは切に思います。

私どもは親御さんから月謝をいただいている身なので商業主義といわれても仕方はないですが、これは本音です。子供もがんばっているので、親御さんもこの上記の2つさえしっかりおさえておいていただければ、後は私どもが先生と知恵を出し合って、お子様にいい感じに芸術を伝えられるようつとめさせていただきます。

これから子供にレッスンを受けさせようとお考えの親御さんの参考になれば幸いです。