10月になりました。
日中はまだ心地よい陽気ですが、朝夕の風には秋らしい涼しさを感じる季節となりました。
港区の街路樹も少しずつ色づき、まさに芸術の秋の始まりです。
音楽の世界では「秋」は特に豊かな響きをもたらす季節です。
たとえば、弦楽器の音色は湿度や気温の変化によって微妙に変わります。乾燥が進むこれからの季節、ヴァイオリンやチェロの音は澄んだ透明感を増し、響きに独特の深みが生まれます。
ピアノも同様で、ハンマーと弦の関係が繊細に変化し、秋特有の柔らかな音色が楽しめるのです。
また、10月といえばドイツの作曲家ブラームスを思い出す方も多いかもしれません。
ブラームスは秋の雰囲気を象徴するような「交響曲第4番」を残しており、その第4楽章では古代ギリシャのパッサカリア形式が用いられています。
シンプルな低音主題の繰り返しの上に変奏が積み重ねられ、まるで落ち葉が舞いながら積もっていくような重厚な音楽が展開します。
ミナトミュージックサロンでも、この秋は新しいレッスンを始められる方が多くいらっしゃいます。
基礎練習をしっかりと積み重ねていくことは、パッサカリアの変奏のように、一見単調でも最終的には大きな音楽の世界を築き上げる基礎となります。
季節の移ろいを感じながら、音楽を学ぶ喜びを一緒に深めていきましょう。
10月も皆さまのご来訪を心よりお待ちしております。
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