先日 ミナトの練習室を借りに来られた方がいらっしゃり、こんな会話がありました。中学生くらいのお子さんとお母様です。ここからの会話はお母様との会話。
「初心者なので、受付で調弦して欲しい」
「受付では調弦は行っておりませんのでご自身でお願いします」
調弦なんてレッスンの最初で習うことですからね。それに例え調弦しても10分も弾けばすぐ狂うから結局自分で直さないといけないし。
「ではだいたい音があっているバイオリン貸してくれませんか?」
「だいたいとおっしゃられましても、一度ケースに入れている以上全て調弦は必要ですよ。」
「初心者だから、少しくらい音狂っていても大丈夫ですよね?」
「絶対にダメです!! 音が狂っている状態で練習なんてしたら逆に下手になりますよ!
先生に調弦の仕方教えてもらっていないのですか?」
「学校では先生がやってくれるので…だいたい音合ってれば初心者だし大丈夫ですよね?」
「だから音が合ってないと意味ないですって… 」今度から調弦自分で出来る人限定と書いて置こう。結局 弦切ってしまって…あーあ。
ミナトのちゃんとしたレッスン本当受けて欲しい!お子様が可哀想です。悪いのはこのお母様でもお子様でもなく、学校教育におけるバイオリンレッスン。
なんで調弦の仕方教えないとかと聞いたら、危ないから、だそうです。確かに危ないけど教えないと何にも進まないし何も弾けない!
バイオリンは音程楽器であり、ドを押したらドが出るピアノとは大きく性質を異にします。
例えば音が狂っててドがレの状態で曲なんて練習したら、本当にドンドン下手になる…恐ろしい。
学校でバイオリンレッスンされているお子様の話、他に何度も聞きましたが総じて話を聞く限り教え方に問題があるのか、伸びているお子様を見たことがないです。
先生の教え方に問題があるのか先生の腕が不足しているのか両方なのか…。そもそもグループで教えている時点で上達がものすごく遅いわけでさらに教え方に問題あるなら上手くなるはずがないですね。
余談ですが、バイオリン講師の給与は音楽家の中でも高いのです。ミナトは同じですがバイオリンだけ給与を変えている教室もあるくらいで、学校だとコストの問題で恐らく有能な先生を雇用出来ないのではと思います。うちの生徒さんのほうが学校の先生より上手かったという話をもあるくらいでして…。
だいたいバイオリンの曲聴いて判断する面接自体やる人材いるのかという感じですが。これはクラシック以外にロックやジャズなど何でもかんでもやっている大手教室に対して常に持っている疑問でもあります。
バイオリンに関しては特に言えることですが、間違った弾き方教えられると、それを矯正する作業が必要でして、三年やってたら全くの初心者と比べてマイナス三年からのスタートになると言っても過言ではありません。
この仕事していて港区では聞いたことないですが、中には、いやいやうちの学校の先生は凄く上手くて教え方もよく満足しているぞ!という方もいらっしゃるかも知れません、そういうよい先生を、ぜひ学校ではよい報酬を支払い雇用してきちんとした教え方をして欲しいものだと思います。
ほんと、ミナト来て下さい…ちゃんとした弾き方、お教えしたいです。正しく習えばびっくりするくらい上手くなりますから。