「都内に数百カ所の教室があります!!」
というWEBの音楽教室の広告にふと目が留まったので、そんなに大きなところあったかな?と思ってちょっとクリックしてみました。
よくよく見てみると、教室は存在していなくて(!)、単にレンタルのスタジオを借りてレッスンしている派遣型の業態のようです。
そうすると、先生をたくさん登録して、都内の練習室をリストにしているだけで、「何百もの教室がある音楽教室」が簡単にできちゃうわけなのです。
要は先生採用して、紹介だけしているだけだから楽でいいだろうな~と思っちゃいます。もちろんそれなりの苦労はおありだと思いますが、教室で働いている人ならお分かりいただけると思いますが、そうした派遣型レッスンとちゃんとした教室のレッスンでは生徒に対する気持ちは雲泥の差であります。
派遣型レッスンの何がわかるんだ!?って怒られそうですが、わかるんです。だって実は私、音楽ではないのですが実は昔、そういう派遣型の会社で働いていたことがあるんです。生徒さんの顔が見えない、何もサポートできない、それが嫌でこの仕事をはじめたくらいですから。
派遣型だとね、先生と会うのは面接の時くらいで、基本 教室(というか教室が存在しないので事務所、事務所すらないのでカフェだったり)にいないし運営側と会わないんですよ。だって、普通に考えたら週1回ひとりふたりのためにずっと事務所に居続けられるはずがありませんから。
そうすると、どの先生が今どういう状態でって把握できない。例えば顔色が悪そうだ、とかご懐妊された、等など。こういうのをちゃんと把握できていると、事前に突然やめたりなどという事態を回避できるのです。
もうそれどころか登録数が多くなってくると、把握しきれなくなってきて、もはや先生がいるかいないかすらわからなくなってきます。
クレームや言いたいことがあっても、直接顔を見て受付に言えない。お金のトラブルがあってもすぐ対応できない。
そして料金が安く見えても、例えば月3回1時間16,000円としても (ミナトは18000円)教室レンタル料金1時間2000円~ とすると、3回で6,000円、合計22,000円と高額になります。
さらに先生のお給料はもともとの低い額からさらに教室が上前はねるわけで、教室より質も落ちる。すると当然生徒も上達しない。ちゃんとした教室で習うより高いお月謝、低いクオリティという図式が想像できます。やってる先生も先生で大変なんですよ、移動移動で。楽なのは経営者だけ。
要は教室の設立コストや運営でケチったリスクを、全部生徒に押し付けている、それが派遣型の教室の実態だと思います。
でも、ウェブサイトが可愛かったりすると きっとそこまで考えない。あら楽しそうと思って体験して、先生が良かったりしたらそれでいいかと思って入会しちゃうわけですね。普通そこまで考えませんし、モラルにのっとって考えるべきなのは教室運営側だと思いますから。生徒を集める広告のウェブサイトだけは、どこもものすごく気合入れていますけどね。もっともその地域がそのレッスン空白地域であれば、選択肢がないのでいいと思いますよ。
なんかボロクソ書いてますが、ほかのちゃんとやってる音楽教室さんも同じ思いだと思います。きちんと頑張っている教室からしたら、生徒にリスク押し付けている形態はそりゃ頭にきますよ。
教室側がこんな感じだから、生徒さんに見抜いてもらうしかない大変な時代になってしまいました。
ミナトにいらしていただければ誠心誠意ご指導させていただきますし、別に他のお教室でも良心的でいい先生がいていい料金のところなら構いませんので、体験の前には、よくよくぜひ吟味して、レッスンにのぞんでいただければと思います。